GIFT IDEA


第1回  トラヤ帽子店

紳士のスタイルを完成させる戴帽のすすめ

銀座和光から京橋方面に歩いていくと、帽子のディスプレイが目に飛び込んできます。大正6年(1917年)に創業したトラヤ帽子店です。もともと神田神保町のすずらん通りに店を構えていたのですが、昭和5年(1930年)に銀座へ出店。昭和35年(1960年)から現在の二丁目へ移転し、営業を続けているという、まさに老舗中の老舗です。
戦前の銀座ともなれば紳士の頭には必ずといっていいほど帽子があったものです。昔の本によると、当時のトラヤ帽子店は大晦日の夜遅くまで営業していたようです。というのも年始に新しい帽子をかぶって挨拶に行く人が多かったからです。紳士にとって欠かせない大切なアイテムだったのです。
さて、現在のトラヤ帽子店を覗いてみると、細長い店内には帽子が所狭しと積み上げられています。季節によって商品も入れ替えられ、秋冬はフェルト帽、春夏はパナマ帽が並びます。今の季節ならパナマ帽です。勤続30年のベテラン店長の大滝雄二朗さんによると、「イタリアのボルサリーノ、イギリスのクリスティーズ、アメリカのノックス(ライセンス)、トラヤ帽子店のオリジナルなどのパナマ帽が揃っています。最近では20代の若い方でもボルサリーノを買われる方がいます」とのこと。

ところ狭しと帽子が並ぶ店内。

「パナマ帽の日頃の手入れはブラッシングをして、編み目のホコリをとる程度で十分です。気をつけたいのが汗染みです。これを防ぐために、額に触れる部分に汗取りシートを貼ったり、汗をかいたら脱いで乾かすなど、ちょっとした努力が必要ですが、それほど神経質になることはないですよ」(大滝さん)
クールビズによってカジュアル化が進んでいる昨今ですが、鹿の子シャツに麻のジャケットを羽織って、パナマ帽を合わせるだけでも粋なものです。
トラヤ帽子店ではオンラインショップにも力を入れています。たとえば気に入った帽子がある場合、自分で頭のサイズを計測します。その実寸データをもとに、購入したい帽子のモデルから、お客さんに最適なサイズのものを選んでくれるそうです。地方在住の方やリピーターにはおすすめです。

お話をうかがった店長の大滝雄二朗さん。さすが帽子姿が何とも粋だ。

パナマ帽に使われているは南米エクアドル産ヒピハパと呼ばれる繊維で、これを細く裂いて紐状にしたものを、人の手で編み上げたものです。帽体と呼ばれるこの状態から各帽子メーカーが独自の型に入れて、プレス、糊付け、乾燥を繰り返して、ようやく完成します。
編み目も幾つか種類があり、平織りの石目編み、ヘリンボーン調のあじろ編み、レース調の小穴を開けたレース編みがあります。レース編みは日本でもお馴染みですね。
帽子の編み目が細かいほど編むのに技術が必要となり、大変時間がかかるため、価格も高額となります。ちなみにお店で取り扱っているものの中では、ボルサリーノの49万3500円のものが最高額だそうです。ボルサリーノの平均価格は5万円台〜8万円台です。
初心者におすすめなのが、オリジナルの「かぎ編みローラーパナマ」です。こちらの商品は10年ほど前から作られているロングセラーで、価格も1万8900円とお手頃。ニットハットのようにクルクルと丸めることができ、通気性がいいので日本の夏にも最適だとか。サイズはS〜LLLまで展開しているので女性の方にも人気があるそうです。

トラヤ帽子店 銀座本店  東京都中央区銀座2-6-5
TEL.03-3535-5201 営業時間:10:30〜19:30/日曜定休

文:倉野 路凡 写真:猪又 直之